くま川鉄道 くま鉄 KT200形 KUMA-1 に乗る

旅行

 九州熊本県の静か山間の盆地にポツンとある、一武駅という無人駅。駅前には民家が数件あるだけで、唯一あるのがトイレと自動販売機です。ここで1時間に1本もしくは2時間に1本の列車を待っていました。
 そろそろ列車が到着する時刻。まっすぐのびた線路の向こうから列車が近づいて来ました。はじめは気にしていませんでしたが、近くに来た列車を見てビックリ。なんでしょう、この変わったデザインの列車は!呆気にとられていると、後方の扉が開きました。
 無人駅の場合、駅に乗車証明書を備えている所もありますが、ここはそれがありませんでした。という事は、車内で整理券を発行してくれるはずです。乗車した瞬間、予想通り「整理券をお取りください」のアナウンスが流れました。目の前に整理券の発券機があるので、よしと思い整理券を取ろうとしました。すると発券機から整理券が出てくる気配なし?あれ・・・壊れているのか?少し動揺気味の僕。車内には学生を含め、数名の乗客が乗っていました。ワンマンカーなので運転手さん1人いましたが、運転席に聞こえる声で訪ねるのもちょいと恥ずかしい。
 車内をキョロキョロ見回していると、列車の車内が列車ではない雰囲気に目が点!

201005201321000

 車内全部が明るい木の素材で出来ており、奥に草木を飾ったギャラリーがあったり、本棚があったり、ちょっとした図書室を思わせる空間です。それに窓のカーテンに黄色を使っているところが、全体的に明るく統一感があっておしゃれ。車内の中央にはソファー席と、個々に座るベンチ席が設けられてありました。

 後で知ったのですが、僕が乗ったこの列車は、第三セクターで運営しているくま川鉄道の、自然博物館列車・KUMA-1(観光列車)でした。なんだか列車に乗っている感じはなく、友達の部屋に来た雰囲気の、いつまでも乗っていたい気持ちにさせてくれました。

2010/05/20 13:23

 人吉温泉駅に到着。運賃を払おうとすると、運転手さんが僕が乗った駅を覚えていました。なるほど、整理券発券機を動かす必要がないわけですね。これも1つの人との出会いですね。
 九州にはいろんなおもしろい列車が走っていますが、熊本の静かな田園風景の中に、こんなユーモア溢れた列車があったとは驚きです。

 

コメント